夜の過ごし方

夜の長さを測っても、
あまりに短く感じてしまうのは、
楽しいからではなくて、
急かされすぎているからだと思う。

何かを忘れていくように急いで、
沈黙を守るように急いで、
矢のように過ぎていく日々に、
私の心は取り残される。

静かな夜に身を任せたい。
少しのお酒も、
酔ってしまうことも、
泣いてしまうことも許される夜。
時間を無視して、
息を抜いて、
とりとめのないことを話せる夜。
ただ頷いて、
寄り添って、
明日を気にしない夜。

気が抜けなくて、
甘えられなくて、
泣けない毎日は、
私に空気圧の低い眠りしか与えず、
息ができない。