あなた
一人の夜は、あなたのことを思い出す。
一緒に海へ行ったこと。
面白い写真を撮って笑ったこと。
大雨に降られて立ち往生したこと。
おいしいものを食べたこと。
私と出かける時には洗車してくれること。
お揃いでビーチサンダルを買ってくれたこと。
熱が出た時、看病してくれたこと。
お花をプレゼントしてくれたこと。
ラーメン屋の行列に並んだこと。
大きい植物を買って、担いで帰ったこと。
バーでお酒を飲んだこと。
いつもとなりで眠ってくれたこと。
あの曲の歌詞みたいに、
うまい言葉がみつからない。
いつかの日が来るって、
でも今じゃないって思いたい。
もしもあなたじゃなかったら、
こんなふうに思わない。
もし神様がいるなら、
どうか教えてください。
夏の雨が、不安になるくらい降るから。
どうしていいかわからない。何もできない。
おなかが痛くて、
何も言えなくて、
頑張らなきゃって、
震えながら、
朝を待ってる。