懺悔
父に逢いに行った。
逢わなければならない気がした。
強い衝動が私を動かす。
涙も、愛おしさも、携えて。
後悔も、反省も、従えて。
雪に埋もれた其処は、
誰もいない其処は、
ただ静かに、ただひっそりと、
私が来るのを待っていたようだった。
何時間もかけて、
たったひとり、雪を下ろす。
雪があらゆる音を吸い込んで、
静謐と静寂が包む。
どんなに言葉をかけても、
父は何も語らない。
遅すぎたのか。
私は間違っていたのか。
でも私には此処しかなかった。
行く処がなかった。
全てを聞いてくれる場所が。
私の何もかもを知って、
見ていてくれる人が。
此処に来るまで、10年もかかってしまった。
10年も、来ることを決意できなかった。
そんな不甲斐ない私を、
父は許してくれるだろうか。
私は、間違っていないだろうか。