20%が問うもの2

実際、言葉は全体の10%未満しかその役割を果たさない。人は会話をしながら相手の仕草や表情で90%以上を読み取っている。
ならば言葉の重要性はどこにあるのか。

カフェで1人仕事をしていると、周囲の会話が耳に入ってくる。会話とは基本的かつ絶対的なコミュニケーション手段である。もはやこの世界に、文字にしろ音声にしろ言葉のない世界はない。何らかの言葉を使ってコミュニケーションをとることは、昔から人間にとって必要不可欠な事なのだ。会話というざわめきが私をまだ安心させる。誰もが人間関係を拒絶してしまったら、世界は末期なのだと思う。
言葉のそこに含まれる意味以上の内在的要素を、言葉を駆使して理解しやすく伝えていくことは、やはり言葉以上の気持ちと誠意がないと届ききらない気がする。

私は私の言葉をどう紡いでいこう。
もしもこの世界から言葉がなくなってしまったら、私はあと20%に何を求めるだろう。
好きな言葉を聞かれるといつも答えに詰まってしまう。特定の言葉に思い入れを持つことは邪魔だと有名な詩人が言っていたのに似ている。
私も言葉を媒体で見ているのかもしれない。そこから膨らむ言葉にならない感情のことを考える。
美意識も高めたい。教養や知識も高めたい。
けれどあと少し言葉を上手に使えるようになれば、心地良い音楽のような時間を持つことができるのかもしれない。