水風船

明け方の水の中は、何の音も聞こえなかった。だから、君が口走った言葉も聞き取れなかったんだ。

思春期と反抗期の間
喧騒と静寂の間
安定と不安定の間
平穏と刺激の間
期待と諦めの間
柔らかさと硬さの間
気丈さと儚さの間
得る前と失う前の間
自発的と自然発生的の間
群青色と茜色の間
不在と存在の間
今、できること。
the endなど無く、何度も何度も…。

水風船を握っていく。
ゆっくり、ぎゅっと。
少しずつ潰していく気持ち。
最後にはぐしゃっと弾けるだろう、でもきっと音は聞こえないんだ。
そして僕が口走る言葉も、きっと君には聞こえないんだ、ここは水の中だから。
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