水曜日は気が重い。

水曜日は気が重い。週の真ん中だからではない、毎週放送されている、とあるドキュメンタリー番組を観てしまうからだ。
何も観たくて観ているわけではなく、放送直前まではその存在すら覚えていない。ただ、チャンネルを替えずにいると気がついた時には始まっている。
それはいわゆる社会的弱者にクローズアップし、その現状や対策を検証するもので、障害者や介護の実態、虐待など非常に重いテーマを取扱っている。情報が氾濫し操作されているこの世の中において、ちゃんと現実を直視しているであろう、数少ない番組のひとつだと思っている。

しかしいつも最後までは視聴できない。冒頭の数分で気が重くなる。
もちろん当事者でないと理解しきれない面はあるだろうけれど、嘘の為の嘘を重ねたような社会のシステムが垣間見えてしまう。当初はこんな筈ではなかったかもしれないのに、いつの間に理不尽な社会になってしまったのだろうと思うこともある。もっとどうにかならないのかな、自分のことで精一杯な私でさえそう感じるのだ。

目を背けたい、けれどチャンネルは替えない。
こういう番組がなくなってしまうことの方が怖いからだ。
私は福祉業に就いているわけではないし、正義感もさほど強くはないだろう。それでもなんだかせつなくなって、ピアノに向かって心を整えようとしたりする、そんな水曜日の夜。
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