恵比寿、夕暮れ時。

先日はスタジオを借りて、ひとり篭ってピアノを弾いた。指が鈍っていて全然上手く弾けないのだが、それでも夢中だったのだろう、時間が経つのがあっという間だった。

その後、恵比寿へ。
友人とお茶を飲みながらゆっくり話すことができた。
友人と呼んで良いものか恐縮で迷うが、彼女はセンス抜群の素敵な女性である。とても魅力的で話していて楽しい。
しかも思いがけず誕生日の贈り物までいただいて、ひどく感動した。
いただいたCDは、クラシックとドローンミュージックが融合していて、聴いていて不思議な感覚になる音楽である。自分の中の空間性を変化させるような、ものすごくせつない何か、覚えているはずのない何かを思い出しそうな気持ちにさせる。こういうジャンルの作品は無知のところから発掘するのは難しい。
何にしても新しいものとの出会いは、その分野に詳しい人や優れたセンスの持ち主から聞くのが、一番の近道かもしれない。自分の知識のなさを恥ずかしがらずに、知りたいと思ったら首を突っ込んでみると、新しい世界や魅力を知ることができる。そして誰かが勧めてくれたものを、一度は素直に試してみることも誠意のひとつではないかと思う。食わず嫌いは私にもよくあるが、試さないままでいるよりは試した方が良いのではと思う。
私の好きな言葉に「やった後悔よりも、やらなかった後悔の方が、大きく残る」というものがある。

だんだんと薄暗くなる店内。
灯されるキャンドルの光。
喧騒から切り離された、柔らかい空間。
心地良い会話。
窓から見える都会の空が、霞みながら変化していく。
そんな雰囲気がまさにアンビエントで、まだその時点では聴いていないCDの音楽のような空間に、既に自分が含まれているような感覚に浸った。
これもまたオルゲルプンクトが成せる技なのだろうか。
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