蝶と黒うさぎ

1年前の今日はとても大切な日だ。もう誰も覚えてないかもしれないけれど、あの日も晴れていた。

この1年さんざん考えて、迷ったり揺らいだり、噂や誤解に翻弄され、ふさぎ込んでみたり誰かに相談してみたり、挑戦したり諦めたり試行錯誤を繰り返し、沢山泣いてきた。
けれどやっとわかったし、やっと納得できた。
私は彼のことが好きだ。
この先に何が起ころうとも、何が起こらなくても。
関係が深まろうと、離れようと。
人生はまだ長く、これから何が起きるかわからない。彼がこれから先どこに住んでどんな仕事をしてどんな人と付き合うか、年を取れば、見た目も変わり病気を患うこともあるかもしれない。
そんな姿を見ていたら、時に傷ついたり歯がゆくなってしまう時もあるかもしれない。
それでも、きっと私は好きだ。
そこまで思って、やっと彼という人間はこの世に1人しかいないのだと実感した。
似たような性格や仕事や見た目の人は他にもいるかもしれない、そうやってできるだけ他を見るようにしてきた時もあった。けれど彼はただ1人で、例え目に見えるものが変わってしまっても、存在そのものが大切なんだと、そんな人に1年前、さりげなく出会えたことを、やっと受け入れられた。
迷惑さえかけなければ、ずっとこの想いを貫き通してもいいだろうか。何も望まなければ、この想いを抱いて生きて行っても許されるだろうか。
遠くからでもいいから、密やかに大切に思える人と出会えただけで、私は幸せなのかもしれない。

なかなかうまくいかなくて、進むことも戻ることもできずにもがいていた。何かを望むことや私の考えが間違っているんだと思っていた。
気のせいだとか、自分で自分を誤魔化そうと必死だった。
けれど変わらない気持ちはここにあって、それは自分にでさえどうにもできないのだと、やっと気づいた。
そう思ったらなんだか泣けてきた。
涙が溢れた。
嬉しいでも悲しいでもなく、納得の涙かもしれない。自分が何を抱えて歩いていくかを知った時の。
こんな気持ちをわざわざこのブログに書くことに、何か意味があるのだろうか、とさえ思う。誰にも知られたくないのか、誰かに知ってもらいたいのかわからない。これを誰か読むのか誰も読まないのか。誰かに伝えたいのか、隠したいのか。
でももういいや、誰に何を言われたって。

あの日、彼はどんなネクタイを締めていたのだろう。



何か…目印があればいいのに。
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