サクライロ

寒暖差の激しい3月を経て、桜が見頃を迎えている。
急に春めいてきて、外は何層もトーンを上げたように見えた。

帰郷中に思ったこと、それは最も自由度の高い関係が「友達」。
家族や恋人、同級生や同僚などよりも境界線があやふやで、距離を置くことも縮めることも容易い。その分お互いの意志がないと、会うことさえ叶わない。何年も会わなくても違和感なく打ち解ける場合もあるが、関係を維持したければそれなりの努力はしようと心がけている。会う時間と機会を作ること、メールなどで声をかけること。
そして相手に心を開いて欲しければ、まずは自分が心を開いていった方がいいと思っている。自分が上っ面ばかりの相槌なのに、相手の本心を聞き出そうとしてもうまくはいかない。けれどいくら自分の本心をさらけ出したとしても、相手も心を開けるような空気作りをしなければ、結局は同じなのだとわかった。通じ合うものがあると感じているのは、私だけの場合もある。相手が私と一緒にいてリラックスできていること、本音を口にしても大丈夫だという安心感を与えることはどういうことだろうと、考え直す機会を得た。
いつでも会えるよ、ということは決してなくて、いつの間にかどうしょうもないほど離れてしまう関係もある。
だからできるだけ、会ったりコンタクトをとりたい。少しずつの積み重ねでいいから、信頼関係を結んでいきたい。

冬の間の、裸の桜の木も好きだ。
刺々しく突き出している枝が澄んだ空気にはよく映える。
凛と立っていた桜がふわっとピンクのベールを纏うと、途端に印象が変わる。柔らかさと儚さを備えた、上品で優しい美しさ。
ほんの束の間の小さな変化を見落とさないように待つ、そして毎年それを見て微笑む、そんな情緒を失わないようにしたい。
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