strobe light

先日、とあるクラブにて、有名なDJのプレイに酔いしれてきた。
ジラすのがお得意なよう。
アガりきる寸前で、ジラす。ジラされることでまたアガる。
老舗のハコは熱気で温度も上昇し、真冬なのに汗ばむ。
汗ばむ私に近づく、大手企業の男性。
優しくて紳士的だったけれど、私は斜め前で踊るあの子に夢中だった。
胃を揺さぶるキックに、激しく小さな身体を動かす。
ストロボライトに垣間見える、アーモンド型の瞳。
よく似合うショートカット。
目が合うと、挑発的な笑みをしてくる。
私よりも華奢な女の子。
酔っている。
きっとお互い酔っているだけだ。
この距離感と、意味ありげな視線のぶつかり合いを楽しんでいる。


私の恋愛対象はもちろん男性だし、女性と恋愛をしたことはない。
けれどごくたまに、魅力的な女性がいると、美しい花を眺めるようにうっとりしてしまう。それは誰でも同じようなものだろうか。とびきりの美人だったら、同性でも見とれてしまうと思う。あの化粧品の広告のように。
もちろん私の場合は、ただ「素敵だなぁ」と心の中で思い、それでおしまいだ。それ以上にもそれ以下にもならない。
けれど夜の演出としては、10人の男性よりも1人の美人の方が、素敵に思えるかもしれない。

フロアが揺れるリズム。
行き交うレーザービーム。
ビールの泡が跳ぶ。
服が濡れても気にしない。
足を踏まれても、タバコの灰が舞っても気にならない。
私が唯一、何も考えずにいられる場所。
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