イチゴイチエ

「今、このカフェにいるメンバー全員が、また同じ組み合わせで同じ場所に居合わせることは二度とない」と、知人が言っていた。
確かにそのとおり、知人には連絡をとって会うことができるが、知らない人には自分から会おうと思っても会えないものだ。
そういう目線で街の中を歩くと、とても面白い。同じ電車の同じ車両にいる人々、同じクラブに集まった人々、今このスタバにいるスタッフと客たち…。全て偶然の産物かもしれないが、一瞬一瞬が貴重である。
しかし更に考えを巡らせると、そんな他人だらけの世の中で連絡先を知り、会うことができて、さらには楽しい時間を共に過ごせるということは、誰にしても奇跡的なことかもしれない。
知人にでさえ、お互いのスケジュールや体調、居住地などによってはなかなか会えなかったりもするのだから。

私たちは、自分の知っていることにしか気づき得ない。知らないことは知らないのだ。けれどその無知であり未知の部分を、何かの媒体を通して知ることができる。それはTVなどのメディアであったり、友人や家族の話だったりする。様々な知識だけでなく、考え方や生き方のヒントになったり、励ましや癒しにもなる。そんな気づきの素をお互いに与え合えるとしたら、それほど素敵なことはないと思う。

学生や社会人になりたての頃は、集団生活の中で強制的に出会いがあった。けれどここ数年は、出会いの数が減るだけでなく、気の合う人に巡り会えることも減ってきたように思う。
人はみな人間であり、人間関係に喜怒哀楽する。人に振り回され、人から学び、人に支えられる。
感情を抑え、距離をとることだけが脳じゃない時もある。
一期一会の意味を噛み締め、大切に関わっていきたい。
貴方とは、もう二度と会えないのかもしれないのだから…。
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