over the rainbow

夕空を見上げる。
晴れた空にくっきりと映えるビルのライン。影絵のような都会のコントラストに釘づけになる。
とにかく今月に入ってから、えらく忙しい。毎年、ラスト1ヶ月くらいは慌ただしくなってしまうものだが、今年は更にお泊まり会や旅行の予定まで詰め込んでいる始末だ。それに加えて、来月からちょっとスポーツを始めてみようかと思ったり、この間買った本も読みたいし、借りてきた映画も観たいし、あっちもこっちもこなす時間があるのか不安である。

そんな慌ただしさとは裏腹に、精神的には随分落ち着いてきた気がする。
寒くなるにつれて空が澄んでいくように、私の心も少しずつ靄が晴れてきた。
ここ数ヶ月の精神的デトックスは激しく、いつどんなカタチで収束していくのか、予測不可能だった。
思いつくあらゆることを試してみても、何かが心の奥に居座る。どうしてもすっきりできない。そんな状態が続いていたので、半ば抜け出すことを諦めかけていた私はもう、世界が自分を置き去りにしてもいいと思った。
止まない雨の中でもいいんだと。
置いていかれた私は、その場に留まりながら生きていく、それでもいいんだと。
そこにはそれなりの人生があるのだろうと。
大げさかもしれないが、そんな暗雲に包まれていた。
しかし時間やタイミングはうまく重なるものだ。大きな出来事がなくても、ちょっとしたことが私を癒してくれ、徐々に前向きになって来れた。
誰かの何気ない一言が相手を傷つけるのと同じように、相手を救っていることもある。きっと誰にでも人生の中に、うまくいかなかったり、迷ったり悩んだりする時期があって、それぞれ誰かに助けられたり、あるいは自分の力で乗り越えたきたのだろう。そんな今となっては懐かしいような昔話を、いつか聞きたい。
雨はどんなふうに止んだのか。
そこに傘はあったのか。


もし誰かが私にプレゼントをくれるのなら、アクセサリーやブランド品よりも、素敵な傘がいいかもしれない。
雨が降った時に、私ひとりでもその雨をしのげるチカラになってくれるから。
そんなちょっと爽やかな気分の今、雨上がり。
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