朝の色のアンバランス

明け方に見る空は、

濃紺のグラデーションが滲んでいて、

あまりにも美しく、

たまらなくさびしく、吐く息が白い。

 

私の中には、何の言葉もない。

こみ上げるのは声にならない想いで、

誰にも言えないから飲み込む。

言えないから喉が詰まる。

乾いた咳ばかりが代償。

噎せて嗚咽をこらえる。

 

心の病は根雪のように深くて汚い。

貴方はいつも暖かい。

キャンドルの炎のような光。

私の暗闇に揺れる灯火。

私に刺さるつららも、私から生まれるつららも、

全て溶かしてくれた。

どうしてだろう。

いつも思い浮かぶのは、その柔らかさ。

 

夜露がしたたる静かの海で、

私は小さなつららばかり作っていた。

孤独で冷たい営みは、前提まで凍らせてしまうから。

私はその足元ばかりを見ていた。

 

でもふと見上げれば、

そこにはあの明け方の空があって、

混じり合う色味のアンバランスな魅力に、

失った声も後悔ない。

私がこの場所から動けたら、

たまらなくさびしい朝の色も、

変わるのかもしれない。